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TMPTとは

トリガーマップ疼痛治療とは

TMPT ; Trigger Map Pain Treatmentは、運動器疾患に伴う疼痛や可動域制限の評価と治療システムです。ターゲットを探し出して、最も反応のある刺激をみつけ閾値をあげていきます。手順を修得すれば簡単で驚くほどの速効的効果を実感できます。

トリガーマップ疼痛治療の適応

①筋や筋膜などの軟部組織性の疼痛や短縮部位に対して最も効果を発揮します。

②関節包や靭帯など関節周囲組織の疼痛や短縮部位にも効果があります。ただし膝や足関節のように皮膚表面から刺激が届くような関節周囲組織に限ります。

※適応となる主な疾患:肩関節周囲炎、変形性膝関節症、筋筋膜性腰痛、頸部痛、骨折や捻挫など後遺症の疼痛や可動域制限

 

トリガーマップ疼痛治療の禁忌(適応外)

①急性炎症4兆候がある部位

②骨折の未接合部位

③反射性交換制ジストロフィーによる疼痛部位

④末梢神経損傷による過敏な部位

⑤ヘルニアや神経根症による放散痛

⑥その他治療判定フラグで赤信号の部位

 

トリガーマップ疼痛治療の手順

①ベースラインの決定:自動運動や他動運動で治療前にベースラインを確認します。

②原因組織のサーチング:三種類の触診検査で原因組織を特定します。

③試験的治療:外部刺激により疼痛閾値や筋の硬さを変えられるかを試します。同時に刺激の安全性を治療判定フラグで確認します。

④本格的治療:最も反応した刺激をトリガーポイント領域に加えていきます。

⑤効果判定:ベースラインを再確認し治療効果を判定します。

 

TMPTをもっと知る

①疼痛の原因組織:疼痛の原因組織には皮膚、筋膜、筋肉ような軟部組織性、関節包、関節靭帯のような関節周囲組織性、骨膜、椎間板などその他の組織性に分類できます。

②軟部組織性の疼痛:臨床では軟部組織性の疼痛が最も多く見られます。ある身体部位にストレスが加わると、まず筋肉や筋膜が収縮したり緊張して深部の組織を守ってくれます。筋肉は身体の鎧のような役割を担っています。しかしあまりにも強い(長時間の弱い)ストレスが集中して加わると鎧にも限界があり関節周囲組織、さらには骨膜や椎間板のような深層の組織も障害されます。一般的には深部の組織が障害されていると表層の軟部組織も障害されていると考えてください。

③軟部組織障害の原因:軟部組織性障害で最も多いのは筋肉の障害です。筋肉の障害機序は大きく3つあります。A 打撲のような強い衝撃による損傷、B 強い筋収縮(あるいは長時間の弱い収縮)によるノッチや断裂、C 長時間の伸張によるノッチや断裂です。

④軟部組織テクニック:徒手療法での軟部組織手技には圧迫法、フリクション法、ニーディング法、機能的手技、PIRなどがあります。世界中の徒手的手技を探しても呼びかたが異なるだけで大体この分類におさまります。

⑤どのタイミングで使用するか:これらの手技を知っていてもどの肢位でどのタイミングでどれを選ぶかの選択を間違えてしまうと治療効果が出せません。むしろ赤フラグとなることもあります。

⑥プライマリトリガーポイント:筋肉に障害があると、痛みと可動域制限が見られます。筋肉の触診では筋肉内の圧痛点を探します。この圧迫して誘発された痛みと、運動した痛みと同じであればこのポイントが原因組織であると判断します。このポイントをプライマリトリガーポイントと言います。

⑦プライマリトリガーを探す:このプライマリトリガーポイントを探せるかどうかで治療効果が決まってきます。障害の原因部位がわからないと治療が難しいことは想像できると思います。セミナーではこのトリガーポイントをみつける練習を徹底して行います。

⑧トリガー領域の拡散:トリガー領域は、一点であるとは限りません。重症になるほど、あるいは慢性化するほどトリガー領域が拡大してきます。これに対して症状が軽減するほどトリガー領域は局在化してきます。

⑨トリガー領域の連鎖:トリガー領域は、ある原則に基づいて拡散します。これらの拡散現象はトリガー領域の連鎖と考えることができます。セミナーでは連鎖の法則を学びます。

⑩ラテントトリガー領域:拡散されたトリガー領域は、ある程度の圧をかけながらの触診検査により探すことができます。このような本人に自覚がなく、圧迫により始めて疼痛が誘発される領域をラテントトリガー領域と言います。ラテント領域にストレスが加わると容易にプライマリトリガーに変貌してしまうことがあります。

⑪レイヤーグライディングストローク触診:まずセラピストはプライマリトリガーを含めラテントトリガー領域を把握する必要があります。これらの病巣の把握は平面上だけでなく三次元的に把握することが大事です。これにはレイヤーグライディングストローク触診と言う触診技法で明らかにしていきます。

⑫治療判定フラグ:病巣(ターゲット)が明らかになれば、その部位に刺激を加えて反応を見ます。刺激を加える手技は数種類あります。同じ刺激を加えても病巣の状態(急性期、回復期、慢性期)によって反応が異なります。加えた刺激が適切かどうかは青、黄、赤の治療判定フラグで判定します。

⑬1・1・3の法則:刺激は、1部位に対して、1つ、3セットを加えます。一度に多くの刺激を加えてしまうとどの刺激が良くどの刺激が悪いかがわからなくなります。刺激の効果を1つ1つ検証していきます。

⑭ベースラインの決定:治療前にセラピストは、痛みの状態、可動域あるいは症状を誘発する動作を確認しておきます。これを治療前のベースラインといいます。1・1・3の治療直後に、このベースラインを確認し治療効果を判定します。

⑮試験的治療:ターゲット部位に対して、まず徒手的に刺激強度の弱い順に刺激を加え反応を確認していきます。これを試験的治療といいます。弱い強度の刺激で治癒するのであれば、それ以上の刺激は加えません。これは薬の投与と同じ考えで、弱い薬で効果があるならそれ以上強い薬は投与しないのが原則です。

⑯バイブレーション刺激:徒手による試験的治療で安全性と効果が確認されており、ターゲットの部位が拡散している場合、マシーンによるバイブレーション刺激を試します。これも直後に治療判定フラグで効果を確認します。バイブレーション刺激による治療効果は以前より多くの研究者によって報告されています。現在では家庭用の治療機器としても広く使用されており、その安全性も保障されています。TMPTでは、このマシーンによる刺激を機能診断システムに従うことで、最も効果を引き出す使用方法を提示していきます。軟部組織の治療に関わる多くのセラピストは、速効的効果に驚かされると思います。

是非一度セミナーを受講して、自分の治療に生かせるかどうかをご判断してみてください。

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